特殊モーターが搭載されていますので、万一通電状態で短時間拘束(ロック)されてもコイルが焼損することはありませんが、繰返し拘束されますとコイルが温度上昇し、徐々に絶縁部分が劣化してモーター焼損の原因となります。拘束の状態が数秒の場合は、モーターローラーの電源を切る必要はありませんが、10秒以上になる場合はリミットスイッチ、リレー等で非通電にするかアキューム型のご使用をお推めいたします。
モーターローラーは、周囲温度-10℃~+40℃でご使用ください。
通常運転時には、モーターローラーの外筒温度が周囲温度より、約20℃上昇しますが焼損の心配はありません。
電源をON、OFFされることにより、モーターローラーが回転と停止を繰り返す状態を間欠運転と呼びます。
間欠運転の最短タクトタイムは、コイル温度の関係よりおおむね次の通りです。
標準型(Sタイプ)においてカタログ周速度の60%以下での連続使用は、過負荷となりモーター焼損の原因となります。カタログ周速度の60%以下で連続使用の場合は、アキューム型(Aタイプ)をご使用ください。
同一ライン内や、接続部分で搬送速度が変わる場合、急激な速度変更はモーターローラーに強い衝撃を与えますので避けてください。
モーターローラーの選定は、次の三要素から決めてください。
一般的に、搬送に必要な接線力は次の式で求められます。
(搬送物の重量・底面の大きさ・材質・平滑度に関係します。)
F = μ・9.8W
F = 必要接線力(N)
W= 搬送物の重量(kg)
μ= 搬送物の底面の材質による転がり摩擦係数
μ : 材質による転がり摩擦係数
モーターローラーの本数は必要接線力 F とモーターローラー1本当たりの接線力 f とを比較して決定してください。
モーターローラーの必要本数 = F
÷ f(本)
搬送物の形状・重量より、ローラー幅500、ピッチ100を選定します。
搬送物の重量w=30kg、段ボールの転がり摩擦係数μを0.075としますと、搬送に必要な接線力Fは
F = μ・9.8w = 0.075×9.8×30 = 22.05(N)
搬送物に22.05Nの接線力がかかれば起動発進します。
電源:三相200V 60Hzとした場合
標準型57S4~57S25型まで、すべて1本で起動します。
モーターローラー1本にかかる荷重は、30kg÷4本=7.5kg
許容荷重範囲内です。この場合にはレベルが高くて1本で受けたとしても許容荷重内です。
搬送物の形状・重量より、ローラー幅1000、ピッチ100を選定します。
搬送物の重量w=300kg、木製パレットの転がり摩擦係数μを0.035としますと、搬送に必要な接線力Fは
F = μ・9.8w = 0.035×9.8×300 = 102.9(N)
電源:三相200V
60Hzとした場合
標準型57S4~57S6まで、1本で起動できます。
モーターローラー1本にかかる荷重は、300kg÷9本=33.3kg
1000幅の許容荷重50kgの範囲内ですので、
ご使用になれます。
モーターローラー,ブレーキローラーで、おなじみの旭金属(株式会社旭金属製作所)のホームページです。